新人対抗ディベート試合結果
5/11(月)、5/13(水)、5/18(月)の3日間に分けて、毎年恒例の新人対抗ディベート(通称 春ディベ)3試合が行われました。例年通り2月から2年生はゼミ活動を3年の指導のもとスタートしたわけですが、コロナ対策により、完全オンラインでの準備活動となってしまいました。2年生はゼミに入ったばかりで、お互いのこともわからない状況で完全オンラインでの対応を余儀なくされ、指導にあたった3年も初めてのことばかりでとても苦労したと思います。
本来であれば3月の下旬に行われる春合宿で実施される本試合ですが、春合宿も中止となり、オンライン化への対応(ディベートの形式・ルール設定、またそれに使用するシステムの整備)にも時間を要してしまい、試合実施も遅れ遅れになっていました。
今回、5月の頭と一ヶ月半遅れてしまいましたが、ようやくオンライン(Zoom)で試合を実施することができました。以下試合結果と、参加メンバーの感想をまとめます。
[フランス]☆天春、池田(加藤かれん、穴水)
[ケチャップ]☆玉置、有坂(竹本)
低価格ファストフードチェーンとはこの場合、牛丼チェーンとハンバーガーチェーンを指しています。
この2つの業界が今飽和状態にあり、苦しい現状を打破するためには、既存資源(ブランド認知、顧客資源)を活かした範囲の経済で、高価格帯に打って出るべきだとする肯定側。
一方、逆に顧客が当該チェーンに対して求めるニーズなど、これまで築き上げてきた顧客資源、ビジネスシステムが逆に上方拡張(高価格業態への進出)を困難にする、主張する否定側。
激しい論戦が繰り広げられましたが、証拠の割り付け方、またストーリー展開のスムースさなどで優れていたチーム
ケチャップが見事に勝利を収めました。
[天気の子]☆橋本、朝倉(新井、日野)
[ひかる]☆舟橋、中根、今枝(寺畑)
第1試合に続き、上方拡張に関係するテーマ。化粧品は、百貨店や専門店で販売されているカウンセリング化粧品(制度品)と、ドラッグストアで販売されているセルフ化粧品(一般品)に分けることができますが、主に一般品を扱っていたドラッグストアがカウンセリング化粧品に進出できるか、ということを議論するお題。
肯定側は、制度品流通と一般品流通を分けていた障壁が、流通系列化の緩みによってより低くなっていくこと、ドラッグストアがメーカーや卸と培ってきた関係性資源を活用することで、カウンセリング化粧品を取り扱うことは十分可能である、またメーカーも百貨店、専門店以外の販路を求めている。そして百貨店にお客を誘客するためのエントリーブランドとしての位置づけもドラッグストアであれば期待できる、という主張を展開。
一方の否定側は、逆にこの流通系列化やドラッグストア、メーカーがたどってきた歴史がこの戦略を困難なものにする(経路依存性)こと、またドラッグストアのビジネスシステムがカウンセリング化粧品の販売と整合性を持たないこと、を理由にこの戦略は実現できないという主張を展開しました。
立論の精度、分析の深さは両チームとも高水準で、試合も獲得票数の差にはわからない逼迫した試合となりました。ただ最近思うのは、わかりやすいストーリーでないとなかなか得点を稼げないという問題で、これは僕らゼミ全体で考えた時には、能力の成長に逆行することであるので、もしかしたらゼミ全体で理論の軽視、複雑な分析に対する忌避感という問題に真摯に向き合うべきかもしれません。
[アルマンド]☆三和、竹内(兼山、竹ノ内)
[おむぎょーざ]☆西山、藤井(加藤日菜子、浅井)
ニトリが、「エヌプラス」というブランドを立ち上げ、低価格アパレルに本格的に参入。このニトリの戦略的判断の是非を問う論題。
論点は、ニトリのSPAで家具を製造するビジネスモデルが果たしてアパレルにも拡張できるのか、という問題と、エヌプラス自体、消費者のニーズを獲得していくことができるのか、という2点にほぼしぼられた。
肯定側は、ニトリの生産・物流・販売で得たノウハウがアパレルにも十分転用できること、競合ブランドと比較した場合、相対的に差別化できているため市場も十分にあり成長できる見込みがあることを主張。
一方の否定側は、アパレルのサプライチェーンをしっかり調べた上で、アパレルのサプライチェーンが有する特徴と、家具のサプライチェーンが有する特徴はずれており、そのまま転用することは難しいこと、そして競合ブランドとの差別化も不十分であることから、現在の規模以上に成長することが難しいという主張を展開。
サプライチェーンに関する深掘りと市場分析でやや優位にあった否定側が試合を有利に進め、そのまま否定側が勝利を収めることになりました。
試合の中でのとりまわし、修正能力を高めることをより意識して今後の試合には臨んで欲しいなと思います。
はじめてのディベート
〜事前準備の感想〜
2年 橋本実侑
初めてのディベートで何もわからない2年生を先輩方は1から丁寧に教えてくださり春ディベを乗り切ることができました。
事前準備で大変だったことは2つあります。
1つ目は、情報収集です。自分が欲しい記事を探すときの検索ワードが何を入れたらよいのかわからず苦労しました。実際に探すのに時間がかかってしまうことも多くありました。
しかし、2年生が中々探せない記事も3年生の先輩方はすぐに見つけて来てくださり、私も
先輩方みたいになりたいと思いました。
2つ目はストーリーの作成です。私は肯定側だったのですが、自分たちの主張はメリットしかないというように描くのではなく、もちろんデメリットもあるけど、メリットの方が大きいと描くのが難しかったです。自分のストーリーを良く見せたい一心で、メリットにしか目がいかなくなっており視野が狭くなっていました。そんな時に先輩方からアドバイスを頂き自分では考えつかない視点を教えて下さり、ストーリーを形にすることができました。
先輩方は質問を多くしても嫌な顔を一つせず毎回丁寧にわかるまで教えてくださったので、最後までやり抜くことが出来ました。春ディベは大変なことはもちろんありましたが、多くの事を学び、吸収できた期間でした。
2年 西山乃愛
ストーリー作成が大変でした。調べてきた様々な情報がある中で、相手に勝てるようなストーリーを立てなくてはなりません。また、ストーリーは因果関係が明確になるようなものを作成しなければなりません。持っている情報をただ羅列するだけでは意味がなく、流れを作ることが難しかったです。先輩方にアドバイスを頂き、その場では理解ができていても後で自分で考えてみると分からなくなってしまうことが多々ありました。その都度同じ学年のメンバーと話し合い進めていき、それでもわからなければ先輩に相談させて頂くという流れになっていました。このようにストーリーを立てる経験が初めてだったので大変でしたが、経験を積んで克服していきたいです。
はじめてのディベート
〜試合を終えて〜
2年 池田美琴
ディベートについて何も知識がなく、論題について調べること、自分の主張をまとめていくことなど準備は大変でしたが、先輩の協力もあり何とか形にできてよかったです。
準備期間では、情報量の多さがいかに大事かわかりました。自分たちの主張が有利になる情報をどう主張していき深めていくか、また相手がどのように主張してくるかを考えることなど優位に進めていけられるかが情報量の多さで決まるため、大事だとわかりました。
試合では相手の主張を瞬時にまとめ、自分たちとの違いを示し、おかしいと思う点を尋問していくことなど試合中にやることはたくさんです。なかなかまとめることができなく焦りましたが、勝ちたいという気持ちもあり精一杯試合についていこうと頑張りました。その緊張と焦りが試合中にあり、うまく自分たちが主張したいことが主張できませんでした。
これからもっと試合を重ねて、試合中に落ち着いて挑み、成長していきたいです。
2年 西山乃愛
ディベートは初めての経験でしたが、たくさんのことを学ぶことができました。自分が担当したお題の企業について知識が深まったのはもちろんですが、それ以上にあきらめずに取り組むことの大切さを感じることができました。情報を集める段階は地道で大変なものでしたが、実際に自分たちのストーリーができた際はその情報が役立ち、頑張ってよかったと思えました。そのストーリーをもとに戦った試合では、相手のストーリーと比較し自分たちのストーリーの整合性を証明しなければなりません。試合中は集中しすぎて頭が追い付かなくて焦ることがありましたが、今までやってきたことが書いてあるノートを見返してみると役に立つ情報があり、地道にやることが大切であることも実感できました。
何もわからない私たちにいつも先輩方が寄り添って教えてくださり、充実した春ディベ期間を過ごすことができました。これからも多くの試合を経験していきますが、春ディベで学んだことを活かしてより成長できるように頑張りたいです。
3年 加藤日菜子
春ディベお疲れ様でした。オンライン上で作業を行うという初めての経験で最初の頃は戸惑いもありましたが、チームで進めていく中で時間管理をしっかりできた点が良かったと思います。作業する時間と共有する時間を区切ることで効率よく進められました。2年生も初めてのことで分からないことが沢山ある中で情報収集をしてカードに書いて、自分たちなりの意見を伝えてくれたので視野を広くしてストーリーを作ることができたと思います。3年生としても初めて後輩に教える立場になったので、どう教えたら伝わるか色々考えました。
今回春ディベは2年生にとっても私たちにとっても学ぶものが多かった機会になったと思います。また、次のディベ王では春ディベの経験を活かして頑張っていきましょう。
3年 新井未来
初めてのディベートお疲れ様でした。今回はオンラインというイレギュラーな中で作業となりましたが、誰一人欠けることなく走りきることができ、2年生の粘り強さを感じました。準備段階では、2年生のどんな課題にも弱音を吐かずに必死に食らいついていく姿に私も刺激を受けました。また、情報収集やストーリーの組み立て等では、2年同士でしっかりと役割分担・共有ができており、チームの雰囲気が悪くなることもなく取り組めていて、グループワーク力の高さを感じました。何もわからない所から始めた春ディベでは苦しいこともあったと思いますが、試合の堂々とした姿から、この1カ月でかなり成長を感じられ、非常に嬉しい限りです。
今後の成長が楽しみですし、この経験を活かして私も共に成長していきたいです。
はじめてのディベート
〜さいごに〜
2年 朝倉玲花
初めは、メンバーも知らない人ばかりで、どのように進めるのか何をすれば良いのか、何も分かりませんでした。しかし、準備を進めていく中で、チームの同級生と距離が縮まったり、先輩方がとても親切に教えて下さったりしたことで、次第に不安ややりづらさは消えていきました。
また、先輩方のディベ―トをする姿に憧れて入ったものの、自分にできるのかという不安もありましたが、初めて試合をやり切ったことで達成感や力がついていく実感が得られました。
今後のゼミ活動ではさらに積極的に取り組み、成長できるように頑張っていきたいです。